ヨイショの男 寺野伸一 少年愛小説
のぼせたわけでもないのに、耳まで赤く染めて、和は顔を背けた。
「閉店間際に申し訳ない。珈琲を一杯戴いたら帰るから」。「はあ?」。「公私混同……じゃないよな?城に戻ってきた段階で、俺はプライベートな時間を過ごしてるんだよな?」。一度でいいんだけどな……』クリスマスソングが流れる中、楽しそうに歩いているカップルを見つめながら寂しそうに呟くスミレは、健気で可愛かった。
「一生、奉仕してやる」。至近からじっと俺を見つめてくる黒耀石の瞳に魅入られて、俺は、白桜の、浮かび上がるように白い頬に指を這わせた。「……若くて綺麗な恋人がいるから、もう電話かけてくるなと言えば、それですんだのに」。「えっ?」。そんな珠生の後頭部に手を回して固定し、身体をゆるく抱きしめながら、和央は口づけを深いものへと移行していった。「うん。俺が最初で最後」。
「まいった。もう俺は直紀を一人置いて、局に帰ることができなくなった」。突然太地は巴に襲いかかり、ベッドに押し倒して荒々しくパジャマに手をかけていた。大当たり。自分を忘れるのに、セックスの快感は最高の手助けだ。「私も〜」。「いえ、結婚はしません」。「うるる?」。
嵐あらしの夜が去った後、静かな凪なぎの海に漕ぎ出したような穏やかさだ。もっと婉曲に、うまい表現で感謝の言葉を伝えたかったが、静佳の脳もそろそろ疲れてきたらしい。
ボーイズラブ小説作品紹介
雑貨店に務める快人は、女の子と付き合っていてもどこか違和感を感じていた。そんなある日、美容師の森山真樹と出会い、自分が同性愛者であると確信する。「この人と愛し合えれば……」。しかし、相手はノーマル。親友の木村にカミングアウトすると、そのことを受け入れてくれた木村は真樹への告白を後押ししてくれた。快人の地道なアプローチのおかげか真樹に思いを告げるチャンスに恵まれ、真樹には付き合っていた女性がいたが、紆余曲折を経て二人は恋人同士となる。そして「できるだけ一緒にいたいから」。と夏からの同棲の約束を交わす。幸福に満たされた快人は告白の成功を木村に報告する。だが、木村の様子がどこかおかしい……。すると、突然の――。一夜の秘密を抱えたまま、快人は真樹との甘い同棲生活をスタートさせる。しかしそこには新たなる壁が……!!<