青いイナズマ 増田貴久 BLコミック


フローリングの床には深紅の絨毯が敷かれ、それは階段まで彩っている。リビングを通り、二人の寝室の前を過ぎ、滅多に使うことのない自分の部屋の扉を開けた柏木は、クローゼットから大きな旅行鞄(かばん)を取り出した。寝食を共にするだけではなく、時には情欲も分かち合えたらいいのに。だって……僕は、芳とこんなことをしたいと思っていたのだろうか……?芳の舌の先が、訊ねるように、あるいは誘いかけるように、僕の唇をなめた。彼が承知したことに大いに驚いた高城が、相手を睨むように見あげると、そのまま紳士的な仕草で顎をつかんで持ちあげられる。「痩せたんじゃないか。駄目だぞ。一人暮らしになったからって、食事をいい加減に済ませたら駄目だ。学園の寮で夕食だけでも毎日食べろよ」。憲貞が与兵衛をどのように思っているかは知らぬ。

「先生」。嬉しそうな玲司の声。

橋本に吸い出されましたって言ったら、明生、どうするだろう。

「あそこじゃ、分からないよ」。(運命は俺に、イバラの道を歩めとな)御子柴は少し首を傾げると、そのまま阿東にキスをした。直紀はえんじ色のネクタイを片手で振り回しながら、ニヤニヤしているタキを見つめる。ポタポタと、一慧の頭に滴が落ちた。

「ううっ、君は痛みがないから平気かもしれないが…俺は…」。「直倫、開けてくれ」。「愛して…、いる。お、き…た。おまえだけ――」。覚醒機能が鈍い珠生も、さすがにここまでされたら目が覚めるというもの。理央は体が崩れ落ちないように彼の体にしがみつき、優しいキスと甘い囁きを残さず受け取った。けれど、と静秀は思う。

ダイニングのいつもの場所に腰を下ろした湊は、落としたてのコーヒーをカップに注いでいる澤村に顔をしかめられる。「おめーに言われたかねーぞっ!この……っ」。「寒いなぁ。雪でも降りそうな冷え方だよ?」。「出ていけっ!早くっ、出ていかないとっ」。


ボーイズラブ小説作品紹介


取り巻きの女性たちとともに訪れたカフェで、時生はひとりの青年に出会う。彼は伯爵家を絶縁された高塔家のひとり息子・育巳で、春を売って生活しているとの噂だ。育巳に興味を抱きはじめる時生だが、それは次第に性的な色合いを帯びていく。そんなある日、浪費家の母親によって男たちに売られそうになっていた育巳を時生は助けることになる。その瞬間から、ふたりは決して離れられなくなり――。運命の恋を描いた衝撃ロマン!

タイトル:幸福遊戯
著 者 名:高月ま