JAC 森田智己 BL小説


を繰り返した。頬から顎(あご)にかけて、軽く一色の手が添えられる。「克彦……悪いけど、明日っからはしばらくホテルにでも泊まってくれ」。僕のあそこは、じんじんと痺れたみたいになっていて、それがやがてひくひくに変わっていくのが分かった。

「新入社員なら遠慮しろっての」。

明日までなのか、それとも話が完全にまとまるまで、何日も置いてくれるつもりなのか。「どうぞ……天野……克彦だっけ」。だが、時と場合によるものだと、由貴は痛い現実を噛み締める。襟足が肩に届くほど伸びた髪は、根元から綺麗な金色に染められている。

「あっ、やっ」。比べることに意味などないが、与兵衛の顔は、小太郎のそれとは全く別の種類のものであると、憲貞には思われる。

と呟いて立ちあがり、部屋を出ていった。「…………」。「どう?」。寝るにはまだ早い時間だと分かっていたが、誠巳は席を立った。明生のことは、太陽が西から上ったって、お父さんなんて呼びたくはない。「それは最初だけです」。必死に逃げる腰を押さえつけ、先端の窪みに舌を這わせる。

「聖……」。「………………」。体は壁に押しつけられた。「お陰で死ねなくなっちまった。前はいつ死んでも後悔なんてしない、どかんっと一発浴びて、それで終わりだったら簡単でいいやと思ったが、今はそうもいかない。作戦だって手を抜けないんだよ」。「往生際悪いよ」。実際にうとうとしていた村上は、返す言葉もなかった。


ボーイズラブ小説作品紹介


家の事情で、愛器のヴァイオリンを手放すことになった音大生の星野。オークションでそれを4億近い価格で落札したのは、若き大富豪、黒須だった。家に来て一曲弾いてくれないかという黒須の申し出に、愛器への未練から喜んで応じてしまった星野……だが、黒須の本当の狙いは、手に入れた芸術品とともに星野の体を堪能することで……。名器を巡り二転三転するハラハラのLOVEオークション!

タイトル:トラブル・オークション
著 者 名:鹿能リコ
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:イースト・プレス

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