セロリ 錦織一清 BL小説


自分の知っている、強引でがむしゃらな唇。

「……試してホモになったら、返品してもだめじゃないか」。まだいくぶん迷いながらも、そっと舌を伸ばしてみると、白桜は自然に唇を開けてそれを受け入れた。唇がふれる寸前、聖が相手を乱暴に突き放したからだ。目を逸らさず、睨み上げるように視線を受け止めて、はっきりとした口調で言った。

「おはよう。俺、佐伯夏。お前の従兄弟(いとこ)」。「これで俺たちの仲間だな、先生…」。

「俺はお前の、その不器用さが凄く好きだ。だから泣くなよ。この体じゃ、抱き締めることも宥めることもできないんだぜ?」。それは仕方ないとわかっている。今日、笑ったのはこれで何度目だろう。「へぇー、じゃどんな感じ」。せめて甘い囁きの一つもかわしてから、ベッドにゆっくりと横たわるのがルールだろう。その眼は怪しい赤に変わっている。「し。黙って。私たちの間に言葉はいらない」。

やがて歯列を割って、やわらかい感触が侵入してくると、自ら唇を開いて受け入れる。「志郎を見た瞬間、押し倒したいってマジで思ったんだよ。社長の息子だからな。これでも遠慮してたんだぞ」。「……裸のつき合い」。プライベートにまでは踏み込みたくない、そこまで、椎名に近づきたくない気持ちも、本音だ。悔しいのか気持ちいいのか、瑞希は小さな呻き声を上げただけで沈黙を守っている。だの、あげくの果てには、「響君が竜ちゃんとくっつくなら、彼には是非僕の会社に就職してもらって、どんどん出世させてあげよう」。

ずっと一緒にいたかった。


ボーイズラブ小説作品紹介


ブランド好きの姉に金を無心されつづけ、湊は会社のほかにも交通整理のバイトをしなくてはならなかった。しかし、上司にそれがバレてしまい、仕事を失うことに……。ちっとも悪怯れない姉からすすめられるまま、大手アパレルメーカーを狙うことになった湊だが、なぜか服飾にド素人なのに採用が決まる。エリアマネージャー・沢村が、湊を押したからなのだけど、一体どうして!?

タイトル:ラブショップ・ア・ゴーゴー
著 者 名:高月まつり
レーベル:アイス文庫
発 行 元:オークラ出版

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